家賃を稼ぐだけのバイトを終えて、家に帰ってパソコンをつける。夕飯の下ごしらえを終え、すぐにA雑をつけた。  自分のスレに引きこもってるため、人がほとんど来ないからスレも全然進まない。それでも俺はこの何処かゆっくりと流れる感覚が好きだった。  うぞうぞと、モニターから女の子が出てくるまでは。 「でっ、あんた誰?」 「ちわっす! えーこともうします! 以後お見知りおきを!」 「お前はえーこ、それは分かった。もう1つ質問、この奇妙な白い物体はなんだ」 「その前に、貴方の名前が知りたいんだけど、私は名乗ったのに自分は名乗らないってどういう了見よ?」  ごもっともな意見に押し黙ってしまう。モニターから出てきておいて以外と常識はあるようだ。 「……俺は望月 望(もちづき のぞむ)んで、その白い生き物(?)はなんだ?」 「ところで私お腹空いた、何か食べたいんだけど」  聞けよ、お前にとって当たり前かもしれないその存在も、俺にとっては摩訶不思議なんだぞ。ただどっかでこいつ見た事あるかも知れない。  気になったので、白いのをテーブルの上に置いてあった雑誌で叩いてみる。 「……」 ピクリとも動かない白いのから視線をずらし、えーこを見る。  ぱっと見ただけで手入れが行き届いてそうな綺麗な金髪を腰の辺りまで伸ばし、右のコメカミの辺りを赤いリボンで束ねている。  その横に見える両の瞳は透き通るような綺麗な空の色。首の辺りには馬鹿でかいヘッドホンをつけていた、コードは収納タイプらしい。 青いワンピースを来て正座をしているため、ワンピースは彼女の周囲に広がり見ていて心が落ち着くようだ。  今なんだかとんでもなく恥ずかしい事を考えていた気がするが、考えてみたらこいつは女、冷静に分析してたけど実は俺は女が苦手。つまりは……。                         この先は実際の本をご覧ください!